株式会社美山 様

株式会社美山 様 | 会計システム「Biz∫会計」導入事例

人手作業を効率化・自動化して 経理部門を高付加価値業務へシフト

~生産管理システムとのタイムリーな連携で意思決定をスピードアップ~miyama_logo.png

導入前の課題

  • 従前の会計システムは多くのオペレーションにアナログでの対応が残っていた
  • システム間の連携は月次のみでタイムリーな情報把握が困難
  • システム運用に関するライセンスや維持費用が高い

導入効果

  • 入金消込などのオペレーションを自動化したことで工数を70%程度削減
  • 同時にカットオーバーした生産管理システムと日次でデータ連携でき意思決定を迅速化
  • Biz∫のデータベースはオープンソースのPostgreSQLを採用し、ライセンス費用が激減

「Biz∫」導入経緯


― 従前の会計システムにはどんな課題があったのでしょうか。

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村越様: ほとんどのオペレーションに人が介在する必要があり、経理部門の業務の合理化や効率化が遅れていました。

 管理会計の機能もなかったことから、Excelにデータを取り込んで経営層向けの報告書や資料を作成していました。属人的な作業になりがちで、各種データをリアルタイムに分析してほしいといった要求に応えることもできません。

miyama_saitousama.jpg齋藤様: そもそも基幹システムと会計システム間で、売上・入金・仕入情報などのデータ連携が月次バッチでしか行われておらず、PL(損益計算書)情報をタイムリーに把握するのも困難でした。仮に特定商品の売上が低迷していることが判明したとしても、すでに月次決算を終えたあとで、営業活動の軌道修正も間に合いません。

― そうした会計システムの課題に対して、どんな解決を目指したのですか。


齋藤様: 生産管理システムの刷新を予定しており、これを機に会計業務についても標準化を推進し、最大限の効率化を図りたいと考えました。

 これにより経理部門の少数の社員に集中している負荷を軽減するとともに、より付加価値の高い業務へシフトすることを目指しました。

「Biz∫」選定理由


― 数ある会計パッケージの中で、「Biz∫」の採用に至った理由を教えてください。

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間瀬様: 実は、新たな生産管理システムの導入を決定していました。こちらの製品と豊富な連携実績を有する会計システムをWebなどで調査したところ、目に留まったのがBiz∫でした。

 Biz∫は、NTT データグループならではの信頼感・安心感があり、コストも納得できるものでした。さらにベースとなっているintra-martによるワークフロー機能など、将来の拡張性も評価して採用を決めました。

村越様: まずは当社の財務会計業務を支障なくこなせることが大前提です。そのうえで求めたのが、蓄積したさまざまなデータを活用し、将来の先読みにも役立つ会計システムの実現です。そんな私たちの構想にBiz∫なら近づけると考えました。

導入プロジェクト


― これまでの導入プロジェクトの進捗状況をお聞かせください。

齋藤様:2021年2月にNTTデータ信越から提案を受けてBiz∫の導入を正式決定し、同年5月に構築プロジェクトをキックオフしました。そして2023年5月に新会計システムの本番運用を開始しました。

― 約2年に及ぶプロジェクトということで、かなりの苦労をされたと思いますが、印象に残っているエピソードがあれば教えてください。

間瀬様: まず、プロジェクトが長期化したことには理由があります。新たな会計システムと生産管理システムは緊密に連動して運用するため、同時にカットオーバーする必要がありました。しかしプロジェクトが始まったのはコロナ禍の真只中で、世界的な半導体不足の影響を受けてサーバーの調達が滞ってしまったのです。ようやく全台が揃ったのは2023年の初頭のことで、これに引っ張られる形でスケジュールが大きくずれ込んでしまいました。

 NTTデータ信越の皆様にもかなり無理を言いましたが、最後まで私たちに寄り添い、調整を図ってくれたおかげで、生産管理システムとの同時稼働を実現することができました。

村越様: 業務の観点から苦労したのは、システム刷新に伴うこれまで経験したことのない大規模なマスタ変更です。

 加えてシステムの本番稼働が2023年5月に延びたことから、当社の会計年度の開始月である3月からのスタートが間に合わず、3~5月の3カ月間については新旧2つの会計システムを並行稼働させ、あとからデータを移行する必要が生じました。

 この作業に対してNTTデータ信越は、専用ツールを作成して対応してくれました。おかげで経理部門の作業負担を最小限に抑えつつ、残高なども完全に一致していることを確認したうえで、無事に新会計システムへの切り替えを実現できました。

導入後の効果


― Biz∫を導入したことで会計業務はどのように改善されましたか。

村越様: 従前の会計システムで課題となっていた多くのオペレーションが効率化・自動化されました。Biz∫には振込や口座振替の入金FB(ファームバンキング)データ取込や、入金の自動消込といった機能があり、これまで手作業に頼っていた売掛金の処理が省力化されています。

 一方で債務に関しても、月締めや曜日締めなど取引先ごとのさまざまな支払サイトに柔軟に対応し、支払から未払計上の消込まで一貫した流れで処理できるようになりました。リース決済についても、最初の登録さえしっかりしておけば、毎月決まった金額の支払と消込がきちんと行われます。

 加えて経過勘定処理に必要な仕訳もワンクリックで自動作成できるようになり、月次決算業務を大幅に省力化しています。

 これらのオペレーションに費やしていた工数は、肌感覚としては従来の70%削減されています。これによって経理部門では、有益な経営情報の提供と活用など、より高度な業務に注力することが可能となりました。

齋藤様: 実際、生産管理システムと会計システムの日次での連携が可能となったことで、経営サイドでの意思決定やアクションがスピードアップしました。たとえば売上実績や製造実績について計画数量との乖離が見られた場合も、遅れを取ることなく迅速な手を打つことができます。

 また電子帳簿保存法やインボイス制度にもスムーズに対応し、これまで紙でやり取りしていた納品書や請求書のほとんどを電子化できたことで、封入・発送の人件費や郵便料金などのコストを削減しています。

間瀬様: ITインフラの観点からも大幅なコスト削減が実現しました。旧会計システムのデータベースサーバーで利用していた製品を、Biz∫ではオープンソースのPostgreSQLに移行できたことで、ライセンス費用が激減しました。

今後の展望


― 今後に向けて、どんな計画や構想をお持ちですか。

村越様: まずはワークフロー機能の活用です。社内にはさまざまな申請書や稟議書などの手続きの多くが紙ベースのままで残っており、これらの処理をできるだけ早期に電子化し、intra-martのワークフローに乗せたいと考えています。

齋藤様: システム部門としては、管理会計に関する機能を強化することで、経営部門のさらなる高付加価値業務へのシフトを後押ししていきます。特に現時点ではまだまだ不十分と捉えているのが、予実管理の機能です。Biz∫上では組織や勘定科目に加えて、分析項目単位での予実管理が可能ですが、引き続きNTTデータ信越やNTTデータ・ビズインテグラルとも相談しつつ、当社にとってより有益かつ戦略的な管理会計の仕組みを実現していきたいと思います。

NTTデータ信越からの一言


shinetsu_imura.jpg井村: 今回のBiz∫の導入に際して、アドオン開発やカスタマイズをできるだけ避けて業務をパッケージの標準機能にあわせる、いわゆる“Fit to Standard”のアプローチを提案させていただきました。

 美山様はこの考え方を深く理解し、業務現場との調整を図るほか、新たな勘定科目およびマスタの定義にも率先して取り組んでくださいました。途中段階ではコロナ禍によるスケジュール変更など苦労もありましたが、緊密な協調体制がとれたおかげで私たちもプロジェクトをスムーズに進行することができました。

shinetsu_yaoya.jpg八百屋: 新会計システムが稼働を開始して以降、美山様側の習熟度が高まるに伴い、寄せられる問い合わせ内容やご要望もますます高度化していますが、私たちとしても引き続き全力でサポートさせていただきます。

COMPANY PROFILE

会社名 株式会社 美山

2020年に創業50年を迎えたキムチの専業メーカー。「いちおしキムチ」「尹家自慢のキムチ」などの人気商品のほか、大手流通PB(プライベートブランド)商品も手掛けており、国内シェアはトップレベルにある。韓国本場の味だけでなく、日本の消費者が食べやすいように自社開発商品のさらなる拡充を進めている。また、大学との共同研究を重ね、キムチから「ミヤビスLB27」という植物性乳酸菌の分離に成功。医療機関でのヒト試験を経て、免疫や肌の潤いに関する効果を確認するとともに、成田工場での大量培養を実現した。さらに原材料を厳選したこだわりの味づくりなど、「革新の連続による豊かさの創造」を使命に、美味しく健康に良いキムチの開発に取り組んでいる。

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