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株式会社NTTデータ信越

システム導入事例
スペシャル対談

他社にない農業領域の視点とノウハウを土台に、農業における「新たなしくみ」づくりをサポート

上伊那農業協同組合
営農経済部 営農企画課 課長
田中 晋一様 NTTデータ信越
代表取締役社長
池田 佳子 取締役事業部長
八木 祐一 左から八木、池田、田中様

JA上伊那様

Q:NTTデータ信越にお声がけいただいたきっかけはなんですか

A:10年ほど前、JA上伊那では農地の貸借関係と農作物の作付状況を把握するためにGIS(地図情報システム)の更改を検討していました。実は、それまでのシステムは作図や印刷などの地図システムとしての機能は十分なものの、格納されている地図データや農地の属性情報が適正に更新できなかったため、属性もふくめた農地図としての信頼性が低く、期待通りの運用ができていませんでした。その結果、多くの費用をかけたにも関わらず、不十分な成果しか得られていない状況にありました。
 そこで、JAグループの指導組織であるJA全中などにこの課題の解決を問い合わせたところ、地元のITベンダであるNTTデータ信越が、GISに関わるデータ管理に詳しく、同じ問題を抱えていたあるJAのシステムの課題を解決し、実用的なシステムとして再構築した実績がある、との紹介を受けました。その後、実際にそのJAの担当者から話も聞き、その会社なら自分たちの課題を適切に解決してくれそうだと思ったので、相談することを決めました。

Q:問題は解決しましたか

田中様A:はい。しかも、我々が感心したのは、NTTデータ信越の提案内容は、GISに関する技術的な解決策に留まらず、扱う情報を陳腐化させないための、地域の農業関係機関とのネットワークづくりの必要性を示し、その実現方法まで考慮したものだったことです。言われてみれば確かに、農地に関わる情報は、JAだけでなく、行政や農業委員会、共済組合などに散在し、それぞれが独自管理しています。JAでは、JAの業務に関わる部分の情報は更新できますが、他の組織が管理する情報は自ら更新することができません。こういった情報の更新作業の分断が、情報の陳腐化につながっているとの指摘はもっともなことでした。
 NTTデータ信越の提案は、①各組織の情報を定期的に持ち寄る仕組みを作り、その仕組みによって総合的に最新化された情報をGISに組み込むようにする、②その仕組みの実現のために、JAも加わる、③伊那市や共済組合などと共に農業振興に取り組んでいる地域農業再生協議会を、情報を持ち寄る場とするなど、コンセプトだけの提案ではなく、きちんと実行して効果を生み出すことができる現実的な提案だったことを覚えています。
 この提案に基づいて、伊那地域農業再生協議会を中心に情報共有の仕組みを作り、期待通りのGISが完成しました。

Q:当社のどのような点に価値を感じてくださっていますか?

八木A:JA上伊那において、事業運営の中心になるシステムは2つあり、いずれもNTTデータ信越のアプリケーションパッケージを当方向けにカスタマイズしていただいているものです。ひとつめは先述のGIS。
 ふたつめは、農地の貸借管理システムです。個々の農家が保有している比較的小規模な農地をJAが介在して権利関係を統合し、1つの中~大規模農地として利用できるようにして、新たな担い手になろうとする組合員へ転貸することを「農地集積」と言いますが、JA上伊那は、これに積極的に取り組んでいます。農地集積には、農地の貸し手と借り手の把握と賃料の正確な計算が不可欠です。JAは、農地集積円滑化団体として農地の貸し手、借り手の間に立って農地貸借の調整を行うだけでなく、両者に代わり実際の契約事務や利用料の算定や徴収の代行業務も行います。このために農地の貸借管理システムが役立っています。また、国が進める農地中間管理機構の事務委託も受けており、現行の農地集積に関わる2制度両方を使って農地集積を推進しています。これも情報システムの活用がなければできなかったと思います。農地貸借は、法律をはじめ様々な制度が関わる複雑な業務です。NTTデータ信越はこうした制度にも詳しいので、制度改定によって事務手続きが頻繁に変化するような業務でも、安心して仕事を依頼できます。
 このほか、まだ試験的ではありますが、GISを応用した個別システムとして、農作業オペレーターの作業計画作成、収穫計画に基づく集荷施設の荷受管理、組合員の作業記録など、農地に結びつけて活用できる情報の管理システムもお願いしており、今後拡大していきたいと考えています。

Q:これから当社に期待していることはなんですか

A:今年から、NTTデータ信越が開発に加わり、NTTデータがサービス提供している新しい営農支援システムを試験的に導入しています。組合員の農作業実績情報を、スマートフォンを使って記録し、その情報をJAに集め、これまで組合員が手書きで作っていた出荷報告書の作成を自動化したり、各農家から出荷させる農産物の種類や時期を予測することで、予約販売による販売価格の保証を行ったりするなど、JAの営農指導や販売活動に役立てていく計画です。作業記録をデータベース化できるシステムは他社の製品にもありますが、はじめからJAが活用することを前提にして、JAが業務上利用するために最適な内容で情報を集約、分析する機能がついたものは他になく、長年我々に寄り添ってきてくれたことにより農業領域の業務知識を蓄えてきたNTTデータ信越のノウハウが存分に活かされたシステムだと思います。
 このほか、JA上伊那管内は、国からスマート農業推進のモデル地区に指定されていて、トラクターの自動運転やドローンの活用実験などが盛んに実施されています。こうした機器を運用するにはGISが持っている位置情報が必要になります。他にも、今あるシステムをもとに、新しい農業機械の運行計画策定や制御を行うことも考えていて、現行システムの応用した新しい機能の提案にも期待しています。
 農業は生産者だけが行う「生産作業」ではなく、地域で連携しながら営んでいく「産業」です。JAのミッションは、はその「産業」の仕組みを円滑にまわしていくためのまとめ役です。NTTデータ信越のシステムは、土地や人の情報をまとめて地域情報として管理し、活用していく視点が盛り込まれています。今後も他社にはないこの視点とノウハウを土台に、いろいろな提案をもってきてもうらことを期待しています。

COMPANY PROFILE

上伊那農業協同組合

 長野県の南部に位置する上伊那(かみいな)は、中央アルプスと南アルプスの2つのアルプスに囲まれ、南北に沿って天竜川が流れる「伊那谷」と呼ばれる地域です。
産業は、電子部品、輸送機械、情報通信機械などの工業や、水稲を主とした農業が主要産業です。桜の名所としても有名な高遠城址公園や光善寺、湿原が有名な入笠山、中央アルプス駒ケ岳ロープウェイ、ほたるの名所松尾峡など、自然・文化資源にも恵まれています。

上伊那地域
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